7月と8月の2回に渡って山本美芽先生の「ピアチャレレパートリーを使って」
という指導者向け講座を受講しました。
会場に出向く時間が取れないので、Vimeo受講です。
自宅にいながら学べるこのシステムは本当にありがたいです。
色々な教本を研究されて、現場の先生方のお話も参考に満を持して作られた
ピアチャレシリーズですが、「ひとりですいすいひけるよ!」これが最大のポイントのようです。
山本美芽先生は、このような本も書かれています。
これまでに導入期の指導法について、たくさんの講座を受けて勉強をしてきましたが、
ここ最近のお子様たちやご家庭の様子というのは、少し前とはだいぶ異なっており、
少し前の指導の仕方では太刀打ちできないと感じます。
手遊び歌や童謡、童歌を知らない未就学児さん・・・
小中学生、さらに高校生でも生のオーケストラの演奏を聴いたことがない・・・
テキストに付属しているCDも聴くことが出来ないご家庭も・・・
明らかにお勉強以外の経験が足りていないと感じる幼児さんが増えてきているように感じます。
今どきは、お子様のやりたいようにやらせたいと思っていらっしゃる保護者様が多いようで、
それはそれで良いことなのですが、
最低限の「しつけ」も必要なので、上手く身に付けられると良いな~と思うことも・・・
そうした現状の中、一昔のピアノの指導のあり方というのは、成り立たないと感じています。
音大の同期の話ですが、小学生がサックスを習いに来たので、簡単な楽譜の読み方を教えたところ
保護者様からクレームの電話があったとか?!
子どもが音符を読むのは嫌がっているので、辞めて欲しいのだとか・・・。
いやいやビックリしました。
話がそれましたが、
山本先生は、そうした時代に合ったテキストを模索されていて、それらすべてを払拭できるようなテキストや指導法を考案されているというお話も伺うことが出来て、とても共感することが多くあり、講座を受講してとても良かったと感じました。
私も子どもたちにピアノを教えることとは?
について、毎日毎日考えています。
楽譜を読むことと指を動かすようにすることを一緒にしないこと
リズムとメロディーは別々に指導する方がよいこと
単に楽譜を読むといっても、
音の名前、鍵盤の配列、上がると下がる、線と間、音程など
色々なことを理解していないと読めるようにならないこと
これまでに学んできたこと、日頃実践していることを今一度見直す機会となりました。
絵本のページすらもめくる機会が減り、指先を使うことが少なくなってきていますので、
1本1本の指を指示されたように使って鍵盤を押すことだって、小さなお子様には大変なことです。
さらに、ピアノの大きな壁の1つ、
左右別々の動き!!
これは、本当に大変なことなのだということを指導者も保護者様も理解して、
ゆっくり進めていくべきところです。
お子様には無理をさせず、ゆっくり進めていると、
ともすると保護者様から、
「家の子は、ピアノに向いていないようなので・・・」
「家で毎日練習はさせられません・・・」
もっと困るのは、
「ちっとも上達しないので・・・」
と言われてやめると言われてしまうことが希にあるという話も聞きます。
親御様としては、子どもがうーんうーんとうなりながら頑張っている様子も
苦しませたくないという想いが先攻してしまうこともあるようです。
が、
何かを習得させるためには、そこを一緒に見守り「待つ」ことが必要です。
子どもというのは、不思議なもので、
お家の方の前では、甘えて「出来ない~」とか「もうやだ~」と言いますが、
案外、お外では、歯を食いしばって頑張っていることが多いものです。
ピアノのレッスンでもそういう場面はたくさんあるので、
保護者様にはお伝えしているつもりですが、
ご理解いただけないこともあり、
子どもの本音は辞めたくないのに、ヤメさせられてしまうことがあるのは悲しいことです。
現在教室には、中高生がたくさん在籍しており
(本当に楽しそうにピアノを弾いたり、歌ったりしています)
保護者様にもご理解、ご協力いただき、一緒にそうした時期を乗り越えてきた証ですので
本当にありがたいです。
また話がそれました💦
最近の子どもたちの様子を見ていると、
「学校に行くの面倒くさ~い」
「○○(他の習い事)もやりたくな~い」
「家でゲームしているだけで良い~」
などを聞くこともあり、大丈夫かな?と思うことがあります。
講座の中で、
「2つのことを同時に考える記憶力と注意力を育てる」というお話がありました。
こうした力も意識して育てていかないと、両手で別々の動きをしながらピアノを弾くことは難しいということです。
かくいう私も幼児のレッスンの最中は、しゃべりっぱなしです。
導入期はなおさらで、マスクをしていると酸欠になりそうです。
講師の声のかけ方の違いがお子様の成長に大きな差がでるので、
ピアノを弾く際の声かけ1つとっても毎回変えるなど工夫は欠かせません。
「せーのせーで」と自分のタイミングで言わないと弾き始められなかった生徒さんが、
「せーの」「いくよ、」「1,2,3」など
先生の声かけに合わせたタイミングで弾きはじめられるようになったとき、
それは本当に小さな1歩なのですが、感動して泣きそうになりながら、
まったく平気な顔をしてレッスンを進めていたりします。
そうした子どもたちが、
連弾やアンサンブルで周りの人と息を合わせて演奏できるようになった姿を見られること、
指導者冥利に尽きます。
挨拶にしてもしかり、、、
いやいや上げ出すとキリがなくありますが、
ピアノのレッスンというのは、指導者の意識しだいでとても有意義なものになります。
ピアチャレのテキストは今はまだ使用していませんが、
テキストから学ぶことは多く、
同じような手法でレッスンを進められているので、
さらに生徒さんたちに定着できるよう考えていきたいと思いました。
そのようなことを今一度考えるきっかけとなった有意義な講座を受講出来て良かったです。
教室に通うお子様たちには、
「やる気!元気!」「頑張る力!」もつけてあげたい!!です。